2016年12月9日(金)午後1時福祉教育委員会
私はとよはし「子ども」スマイル会議の小杉賀洋子と申します。意見陳述の機会を与えていただき感謝します。私たちは「子どもの最善の利益」の実現のため、平成24年より活動を始め、子ども達が豊橋に生まれ育ってよかったと思えるまちづくりに取り組んで参りました。今回3度目となる陳情「豊橋市子ども条例を市民協働で制定するための環境づくりに関する陳情書」に対して、「子ども条例」の必要性を中心に補足説明をさせていただきます。
国連で採択された「子どもの権利条約」を1994年に日本も批准、児童虐待防止法が制定された2000年に、川崎市で日本初の子どもの権利条例が制定されました。現在全国43自治体で、そのうち愛知県内では豊田市、知多市など8自治体(*)が子どもの権利に関する総合条例を制定されています。また来春「東海地区子どもにやさしいまち・子ども条例ネットワーク」設立にむけた準備が進んでおります。私たちスマイル会議も参加しています。
子どもの4つの権利(「生きる」「守られる」「育つ」「参加する」)は、誰もが生まれながらにして持っているもの、生きるために無くてはならない大切なもの「人権」と考えます。私たちが開催する子どもの権利ワークショップでは、よく、「子どもの権利はわかった、義務について教える必要があるのではないか」と言われます。先日の市長選における公開質問状への回答にも、同様の誤解がありました。権利と義務は一対のものと考えられますが、人権には義務はありません。人権以外の権利では、例えば自動車運転免許を取得すると、交通ルールを守って運転する義務が生じます。子どもの権利は人権なので、義務がないことを確認しておきます。
さて、ここで、私たちが注目する国内の法律の新しい動きについて説明します。本年改正された「児童福祉法」において、第1条に「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり」と子どもの権利をベースにすることが明記されました。子どもの権利は子どもだけでなく、私たちおとなも理解し、「子どもの最善の利益」のために」使っていくことが求められています。
私たちは身近な子どもたちやその周りのおとなたちに日々関わるなかで、支援の必要な家庭は孤立しがちだと感じています。みんなで子育てする環境が必要です。今議論されている家庭教育支援法が「子育て指導」にならないだろうかと、案じています。私たちの願いは不安の伝染ではなく、「一人で頑張らなくてもいいよ!みんなで子どもの最善の利益になる子育てを一緒に考えて行こうよ」と勇気の伝染する条例を作ることです。今こそ私たちは、子どもの力を信じて、子どもから信頼される大人になることが求められています。
昨年3月作成したスマイル会議の条例案第5章「子どもの権利擁護」の部分を詰めなおし、来年3月に、再提案させて頂く予定でおります。そして、子どもの権利の日である11月20日の制定を目指して、5年目の活動を展開する考えです。ありがとうございました。(おわり)